麻服にひと日の疲れありけり 松本和子

 

夏服は帰っても直ぐにクローゼットにしまわず、汗を乾かすためしばらくかけて置く。その様子を詠んだものだが、皺になりやすい麻だけあって「疲れあり」、しかも「ひと日」とは。実にうまく言ったものだ。麻服は本人の物だろうか。それとも、家族のひと日の疲れに思いを馳せたものだろうか。(『火星』2012年11月号)(K.K.)