雲の峰病むひとのため白湯沸かす 山本三樹夫

 

 

病院の窓から見える風景はいつも同じだ。でも、病人に寄り添って一日病室にいると、ガラス越しの変わり映えのしない風景が、とても愛おしく思えるのだ。作者も雲の峰をそんな思いで眺めていたに違いない。(『百鳥』2001年10月号)(K.K.)