灯を消して月下美人と別れけり 松崎鉄之介

 

真夜中に咲いて夜明け前には凋むサボテン科の花。咲きそうで待ちぼうけということもあるようです。咲かなければ夜明けまで起きていたかもしれません。でも、どんなに美しい花でも、逢えてしまうとそれで満足してしまうのです。人間って不思議ですね。名残り惜しいですが、灯を消してゆっくりとお休みくださいませ。(『濱』2000年11月号)(K.K.)