突かで置く紙風船の夜の影 行方克巳

 

 

いま置いたとも読めますが、私は置いてから時間が経って夜になった情景と読みたい。「突かで置く」という言葉から紙風船は膨んだ状態で置かれている事がわかります。膨らませた子は、どこに行ってしまったのでしょう。夜のしじまが紙風船を囲んでいます。(『知音』2001年5月号)(K.K.)