また同じ小径に逸れし春の夢 邑沙綺

 

 

同じ風景を繰り返し夢に見ることがある。私の場合は生家の近所の路地ですが、作者の場合はどこかの道を歩く夢のようです。広い道を歩いているはずがいつも小径に逸れる。作者は逸れずにそのまま広い道を進みたい。広い道の先に本当の夢の出口があるはずなのだが、いつも小径に逸れてしまう。出口に辿りつかないまま夢から醒めてしまうもどかしさ。夢の出口にはどんな目覚めがあるのでしょう。(『銀化』2002年6月号)(K.K.)