春の海一燈つよく昏れにけり 桂信子
「つよく」を「燈」の明るさと解釈すると、いくつかの燈の中で一際明るい燈がひとつあって、風景全体が黄昏ている情景になる。「つよく」を「昏れ」の強さと読むと、燈がある一か所を夕闇が濃く覆っている情景が浮かんでくる。どちらとも読めなくはないが、前者だとやや凡庸な写生句であり、解釈は後者とすべきであろう。シャープな写生の切口は心象風景ともとれる。感性の句である。(句集『女身』1955年)(K.K.)
春の海一燈つよく昏れにけり 桂信子
「つよく」を「燈」の明るさと解釈すると、いくつかの燈の中で一際明るい燈がひとつあって、風景全体が黄昏ている情景になる。「つよく」を「昏れ」の強さと読むと、燈がある一か所を夕闇が濃く覆っている情景が浮かんでくる。どちらとも読めなくはないが、前者だとやや凡庸な写生句であり、解釈は後者とすべきであろう。シャープな写生の切口は心象風景ともとれる。感性の句である。(句集『女身』1955年)(K.K.)