花曇バス降りし人駅へ行き 宮津昭彦

 

花曇と云ってもこの人、花見とは縁がなさそうです。朝の慌ただしい駅前バス停。この人は会社にでかけるサラリーマンでしょう。黙々と足早に歩く背中が目に浮かびます。花鳥風月だけが写生の素材ではありません。都会の朝のワンシーンが目に浮かびます。(『濱』1999年5月号)(K.K.)