沈丁の香に躓ける思ひかな 加藤あけみ

 

 

悩みぬいた末に決めた事。固い決意はそう簡単には崩せない。いや、崩してはいけない。そう思ったいたはずなのに。どこからともなく漂ってくる花の香り、そんな些細なことがきっかけで、心変わりしてしまいそうになる。それが人間なのですね。沈丁花の花は香りが強い。(『円虹』2003年7月号)(K・K)