うたせ湯に豊年の顔集ひ来る 城台洋子

 

 

食の米離れや農業の兼業化がすすみ、豊年という言葉も実感の乏しいものになった。それだけに作句も難しいのだが、この句は豊年という季語のもつ独特な幸福の共有感が良く表現されている。豊年とはまさにこういう喜びなのだ。(『馬醉木』2012年2月号)(K.K.)