青臭しトマトのわき芽つみし指 竹内弘子

 

 

青臭いのはトマトと思いきや、最後まで読むと自分の指とわかる。それから読者は、自分の指の異臭に気づき記憶を辿ってトマトに行き当たる、という作句の過程を、頭の中で再現することになる。作者とともに時間を逆行するのである。(『あを』2007年8月号)(K.K.)