敗荷や夕日が黒き水を刺す 鷲谷七菜子

 

 

敗荷は、夏が過ぎ去って破れた蓮の事。掲句は黒い水と夕日が無残さを際立たせ、廃墟のようである。私は、震災の街に夕日が落ちる様を思い出してしまった。(『現代俳句歳時記』ハルキ文庫)(K.K.)