人形の恋に涙す夏の果て 岡田万壽美

 

 

若者は、夏には色々な場所に出かけ、出会いや別れを経験し、涙を流して成長する。でも、歳をとると悲しいことだが出会いは少なくなり、実生活で感動する出来事も減ってくる。さて、例句について。主人公(敢えて作者とは言わない)は若者では無い。人形芝居を観ながら二度と戻らぬ日々に思いを馳せているのだ。 (『俳句通信』1999年10月号)(K.K.)