見おぼえの山百合けふは風雨かな 星野立子

いつも同じ場所を通るから、山百合の咲いている場所を覚えていたのですね。雨だけでなく風も吹いて、百合が揺らされている様が目に浮かびます。「見覚えの」、に句作の極意があるようです。作者は日頃から、自然に対して優しい目を向けているのです。(『現代俳句歳時記』実業之日本社)(北野和博)