もどる事なき籐椅子の凹みかな 小川洋子

 

当たり前といえば当たり前。この句を読んで当たり前のところに詩は隠れている事を改めて教わった。籐椅子の凹みは人間がつけたもの。いとしい人が、あるいは今は亡き人がつけたもの。その凹みは人の形。人が生きた標。消そうとしても消えない。(『現代俳句歳時記』学研)(K.K.)