ふと指のすすきの傷と氣づくまで 芝尚子

 

 

 

すすきの穂に触れたのでしょうか。けっこう尖って硬いところもあるので、指に小さな傷がついたりします。作者は「氣づきけり」ではなく、「氣づくまで」としました。前者でも詩は成立しますが、まず傷を見つけてから原因を思い至るまでの時間に、作者は詩を見い出したのです。(『あを』2007年11月号)(K.K.)