春光や田に働きて田に憩ふ 佐野まさる

 

 

 

農家の春は忙しい。特に大多数を占める兼業農家では、数少ない休日の晴れ間に集中して作業しなければならない。家に帰って一休みする時間はないのである。掲句を作者自身の姿と読むか、観察者と読むかで、少し味わいは変わってくる。いずれにしても、のどかで忙しい春の一日である。(『百鳥』2002年月2号)(K.K.)