訪ふ家は線香花火の路地の奥 谷田部栄

 

 

震災の後、路地がめっきり少なくなった。庭がないので路地を庭代わりに線香花火をする。と、近所の子が集まってたちまち輪が出来る。訪問先はその奥にある。主人は人だかりの横をすり抜けて、もしかしたら歩みを止めて線香花火に見入っていたに違いない。路地はいい。(『万象』2016年10月号)(K.K.)