義歯ぴたり秋刀魚の味の一段と 小川玉泉

ほう、そういう手がありましたか。「義歯ぴたり」が、秋刀魚にぴたりとはまっています。俳句の具材って、生活の中に転がっているのかも知れませんが、ありふれた素材を使って、非凡な作品に仕上げる作者の目利きの良さ、俳句愛に脱帽です。(『末黒野』)2014年12月号(北野和博)