笑い了えし体が桜ふぶきの中 池田澄子

 

 

お花見の席でしょう。周りに友人も沢山いるようです。その中で笑いが起き、作者もつられて大笑い。そこへ、一陣の風が吹いて、桜ふぶきが。笑いおえて我に帰ったら、桜ふぶきに囲まれて。自分も桜ふぶきになったよう。 友人の姿が消え、桜ふぶきに自分だけが取り残される孤独感というよりも、体が桜ふぶきに取り囲まれる異質感や浮遊が前面に出ている。抒情に落ちていないところが作家性の現れ。(『現代俳句文庫 池田澄子句集』ふらんす堂)(K.K.)