威し銃山国の空新しく 細見綾子

 

 

「威し銃(づつ)」は鳥を追い払うため銃声に似た破裂音を出す仕掛け。銃声音は人間にとっても騒音そのものだが、そこに詩情を見いだす歳時記の世界観に敬意を払いたい。掲句は銃声がして見上げた空であろうか、どこまでも澄んだ青空が広がっている。(『現代俳句歳時記』ハルキ文庫)(K.K)