夫託す救急車待つおぼろ月 鈴木竹

 

およそおぼろ月の柔らかい季語のイメージとはかけ離れた、緊迫した状況です。でも、作者は外に出て、いまかいまかと救急車を待っていたのです。その時は月を眺めているという自覚はなかったでしょう。でも、切羽詰まった状況であったからこそ、おぼろの月はくっきりと記憶に焼き付いていたのでしょう。(『濱』2007年4月号)(K.K.)

 

 

(『』年月号)(K.K.)