穴掘りのひとりは穴に大西日 摂津よしこ

 

 

いったい何のための穴だろう。「ひとりは穴に」ということは、もう一人はいるのだ。(全部で何人かは書いていないが、二人と読むのが面白い。)もう一人はなぜか、一緒に穴を掘らない。何かを企んでいるのか、大西日を浴びながら。書かれていないもう一人の方に焦点があたる、不思議な句である。(句集『夏鴨』1985年)(K.K.)