消しゴムで消せぬ記憶や日記果つ 加藤はま子

 

 

人はなぜ日記を書くのだろうか。いつか読み返すため、というより書くことで記憶をより鮮明にしているのではないだろうか。そうであれば日記を消しても、記憶は消えない。消しゴムで消せぬとは、消し去りたい記憶だろうか、それとも、消せぬほど大切な記憶だろうか。(『沖』2002年3月号)(K.K)