夏野行くどこが中心とも知らず 杉浦圭祐

この人はなぜ夏野を歩いているのだろうか。気が付いたら夏野を彷徨っていたのかもしれない。いつまで彷徨うのだろう、この草いきれのする夏の野を。きっと本人も分かっていないのだろう。「どこが中心とも知らず」が、そんな根源的な不安へ読者を誘います。(『現代俳句協会ホームページ』現代俳句データベースより)(北野和博)