わが夏帽どこまで転べども故郷 寺山修司

 

 

風で飛ばされ転がってゆく麦わら帽子。でも、少年は帽子を追いかけず、屹然と立っている。どこまで行っても故郷、でも、いつか巣立つ日を夢見て。句から溢れ出る自意識がこの句の魅力です。「夏帽子」とせず「わが夏帽」としている所が読みどころ。「(『寺山修司コレクション』思潮社)(K.K.)