背伸びして生きし日もあり夏薊 宮崎カツ子

複数の方のブログで拝見した句。出典に辿り着けなかったが、いい句なので取り上げた。薊は花だけ見ると可憐だが、野に群生する姿は、結構たくましく野性味がある。作家がご自分の人生と重ねて詠むのはごく自然で、読者も句意を滑らかに受け止めることができる。象徴的な句でありながら、この外連味のなさ、喉越しの滑らかさ、後味の爽やかさが心地よい。(『ブログ「575筆まか勢」』他より)(北野和博)