井戸の暗さに我が顔を見出す 尾崎放哉

 

 

井戸の底の水に自分が映っている。ただそれだけの句。でも、実際に井戸を覗いくと、逆光なので顔まではわからない。それでも、作者は我が顔を見ようとしたのだ。そこにはどんな顔が映っていたのだろうか。(『尾崎放哉全句集』ちくま文庫)(K.K.)