白桃や遠き燈下に濤あがり 岡本眸

 

 

白桃の甘い香りが満ちた夜の室内、その仄白く上品な佇まい。窓の外では遠い燈下に上がる波。遠景と近景の絶妙なバランスの中、どこか自分の根源的なものにまで触れてくるよう。白桃の軟らかで肉感的なフォルムだから成立する句である。メロンや葡萄ではこうはならない。 (『朝』1999年8月号)(K.K.)