万両やつかぬ事とて低く問ふ 舩越美喜

 

 

親しい間柄でも、聞きにくい事があります。主人公は万両を前に、切り出すタイミングを計っていたのでしょう。そういう改まったシーンに、万両はよく合います。その愛らしさが、深刻さを和らげてくれるからでしょうか。よく思いつきました。作者に拍手。 (『京鹿子』2003年3月号)(K.K)