ふりいでし雨の水輪よ休暇果つ 木下夕爾

夏休みは人生の中でも思い出深い行事のはずだが、「休暇明け」や「休暇果つ」の季語は、意外にも例句が少ない。おそらく俳人にとって、夏休みは遠い日の出来事だからだろう。でも、思い出して欲しい、今のあなたより、若き日のあなたの方がずっと詩人であったことを。さて、掲句の季語は「休暇果つ」。楽しかった夏休みが終わることへの哀歓が漂っている。いい作品だけれど、視点が大人なんだなあ。(『現代俳句協会HPデータベースより』)(北野和博)