蓋あけし如く極暑の来たりけり 星野立子

オルゴールの蓋、プレゼントの箱、びっくり箱。蓋をあけるという行為は、ちょっと怖くて、ちょっとワクワク。梅雨が終わるといきなり真夏。まさに蓋をあけるという比喩がドンピシャで決まっています。掲句は昭和22年作で、まだ地球温暖化もなかった時代。でも、クーラーもないから、その分気温の変化を肌で感じていた時代です。極暑にうんざりしている訳ではなく、ちょとした高揚感も感じ取れるのが、この作品のいいところです。『昭和俳句作品年表・戦後篇』東京堂出版)(北野和博)