晴れし日の胡桃の落つる音と知る 中村汀女

 

 

晴れた日でも曇った日も、胡桃の落ちる音は同じだ。「晴し日の胡桃」ではなく、「晴れし日の」の後に切れ字が入るのだろう。作者はさっきから気になっていたあの音を通して、秋の静謐な時間を描いている。地面に落ちる音だろうが、私は屋根に落ちる音と読んだ。(『現代俳句歳時記』ハルキ文庫)(K.K.)