ごうごうと風呂沸く降誕祭前夜 石川桂郎

 

 

私には作者の意図が取りにくかったが、降誕祭前夜と平穏な日常として風呂を取り合わせた、と一応解釈した。しかしそれだけでは説明つかない、不思議な魅力を持った句だ。何かが起きる予兆めいた雰囲気をこの句に感じるのは、私だけだろうか。風呂沸くが誕生の産湯を連想させるからかも知れない。『図説日本大歳時記』講談社)(K.K)