コスモスや放った石が落ちてこぬ 池田澄子

 

 

放った石は必ず落ちてくる。それと同じくらいの確かさで、旅に出た人は帰ってくる、今朝会社に出かけた夫は必ず帰ってくる。そう信じて私達は生きているのだ。でも、それは・・・。生きていく上での根底が揺らぐような不安感をこの詩から感じた。しかも、心安らぐはずの、コスモスの風景の中に。『いつしか人に生まれて』1993年)(K.K.)