亡き妻の靴を磨けり風光る 伊藤白潮

 

 

俳句を読んでいて得したと感じるのは、こんな句に出逢った時ではないでしょうか。いい句に出逢ったというより、いい人生に出逢ったという感じ。人間を離れて文学はない、とはよく言ったものです。原稿用紙に言葉を置くだけでは、こんな感動は生まれません。(『鴫』2003年5月号)(K.K.)