諦めの悪き男がいちご食ふ  秋千晴

 

この人(諦めが悪い男)、普段から作者にそう思われているのでしょうか。私も諦めが良い方ではないから、お気持ち察し同情いたします。理屈では無理だと分かっていても、いつまでも引きずってしまうのです。まあ、大目に見てやってください。そんな男でもいちごくらいは食べます。いやむしろそんな男ほど苺が好きなのです。「諦められないこと」と「いちご」の無関係な取り合わせが面白い。(『空』 2005年10月号)(K.K.)