悪女かも知れず苺の紅つぶす 三好潤子

 

 

苺をつぶしているのは主人公です。昔流行ったつぶしてミルクとからめる食べ方で、行儀が悪いから悪女という句意ではありません。苺をつぶす時にふと、奔放な恋を連想したのでしょう。「悪女」は奔放な恋に走る人の意味です。もちろん、作者は「悪女かもしれず」と思うくらいだから、決して悪女ではありません。軽妙なタッチを楽しみましょう。(『現代俳句歳時記』実業之日本社)(K.K.)