また寝そびれて明け方のほととぎす 藤井美晴

 

 

夜更かしではなくて、寝付けなかったのでしょう。作者は目を閉じているから、ほととぎすの声で朝の訪れを知ったのでしょうから。「寝そびれて明け方に聞くほとどぎす」でも句は成立しそうですが「、作者は破調にしてまで「また」を入れている。「また」はということは、作者には何か深い心労があるということでしょう。でも、ほととぎすの声が束の間の癒しとなったようです。(『やぶれ傘』2015年9月号)(K.K.)