初時雨形見の傘をそつと差し 藤井久仁子

 

 

別に形見と意識していた訳ではなく、差そうと取り出した時ふっと亡き人の面影がよぎったのでしょう。時雨ではこうはいかない。初時雨の「初」が実によく効いている。(『ぐろっけ』2007年3月号)(K.K.)