走り梅雨原子爆弾拾つてる 吉弘恭子

 

 

子供たちが石ころのようなものを拾っています。いえいえ、子供たちが拾っているのは原子爆弾の破片かもしれません。もしかしたら爆弾そのものかも。走り梅雨の季節です。雨が降っています。でも本当は黒い雨かもしれません。感性で捉えた戦争と原爆の恐怖のイメージ。(広島原爆投下後、爆発による上昇気流で、放射能と灰塵を含んだ黒い雨が降った。)(『あを』2004年7月号)(K.K.)