沐浴のわが一刻も春の宵 栗津松彩子

 

 

入浴とせず、沐浴としたセンスが光ります。実際は露天風呂での体験かもしれませんが、沐浴という言葉が浮かんでくるとは、神々しいほど美しい宵だったに違いありません。刻一刻と変わりゆく空の色。春の宵の艶やかさが伝わってきます。(『ホトトギス』1999年8月号)(K.K.)