ひとりなれば佇つこと多し春水に 桂信子

 

 

ひとりだと、なぜ春水に佇むことが多いのでしょう。そういう疑問を持って読み返すうちに、深い味わいが染みだしてくる。大切な人、本来ならば隣でともに佇むべき人の姿を思い浮かべて。春の水の淡い光がそう思わせるのでしょうか。もしかしたら、ここは思い出の場所なのかもしれません。(句集『女身』1055年)(K.K.)