ポスターの美女吹かれゐる春の風 吉年虹二

 

 

ポスターですから、風が吹いても髪が乱れる訳ではありません。それでも作者が風に吹かれていると感じたという事は、かなり強い風が吹いていたのでしょう。春一番かもしれません。風のせいでしょうか、美女といえども、あたりでポスターに目を留めているのはどうやら作者だけのようです。 (句集『河豚提灯』1999年)(K・K)