春は血の汚るるごとし水に彳つ 石川桂郎

 

 

「彳つ」(たつ)は佇つ。冬の厳しさ、透明感は精神を純化させる。詩人は冬を愛するのだ。誰もが待ち焦がれるはずの春、内なる命の芽吹きさえも、血が汚れるかに感じる。この自分を見つめる目の厳しさ。そこから傑作は生まれる。(『新版俳句歳時記』角川書店編1972年)(K・K)