白菜の白さ目に入る朝の膳 山本達人

 

 

この冬最初の白菜の漬物だったのでしょう。目新しいから、白さが目に入ったのです。俳句は発見と良く言われる。そこで、旅先での見聞や、身辺に起きた目新しい出来事を句にしようとする人が多い。その結果、発見というより、本人にとっては珍しい体験の、ご報告になってしまうのです。発見とは生活の小さな変化を見つける暖かい眼差しのことです。掲句は、小さい発見だが、俳句には十分すぎる大きな発見なのです。(『かさね』2013年2月号)(K・K)