平らかに母と歩まむ萩の風 斉藤裕子

 

 

派手さがなく、うっかり見過してしまいそう。でも噛めば噛むほど味がある句です。「平らか」という言葉がしっとりと句に馴染んでいます。以前、保養施設に母を訪ねていた頃を思い出しました。萩の頃、車いすを押しながら。(『あを』2006年12月号)(K.K.)