肌寒や針に残りし絹の糸 太田佳代子

 

 

肌寒は俳句では秋の季語になる。似た季語に朝寒や夜寒がある。もし、掲句を朝寒とすると、針の鋭さが強調されたシャープな句になる。肌寒としたことで、細い絹糸の軟らかな光沢が強調された暖かい句になっている。 (『春燈』2005年12月号)(K.K.)