日月のこまかくうごく冬の芹 飯島晴子

 

 

細かく動いているのは日月だろうか。いや、そんなことはありえないし、意味がわからない。もちろんこまかく動いているのは冬の芹なのだ。でも、そう読むと上五語に日月を置いた意味が分からなくなる。実は冬の芹も日月もどちらもこまかく動いているのだ。そう読まないとこの句は鑑賞できない。文法的にはもちろん間違いなので、国語の教師は大いに悩んで頂きたい。それが詩というものなのです。(句集『蕨手』1972年)(北野和博)