噴水の背丈を決める会議かな 鳥居真里子

 

「噴水」は夏の季語だが、この句は噴水そのものを詠んでいないので無季。季節を立ち上がらせておいて、最後でそれを打ち消す。打ち消すことによって、殺風景な会議室の中にポエジーが立ち上がるから、詩とは何とも不可思議なものである。(『鼬の姉妹』)(K.K.)