ドアあいて出水の家に人見ゆる 江川三味

出水は大雨で河川が氾濫すること。夏の季語であるが現代人の感覚として、それを風流な自然現象として句に詠むのはいささか抵抗感もあり、身近に多々発生しながらも、作品にするのが難しい季語の一つである。その点、掲句はニュース報道のように、現場での被災者の様子を冷静かつ客観的に写生している。臨場感、緊迫感を味わいたい。『現代俳句歳時記』実業之日本社)(北野和博)